【ネタバレ】『雨を告げる漂流団地』【ネトフリ独占配信】 あらすじ考察感想評価
『雨を告げる漂流団地』ネトフリ独占配信決定!
『雨を告げる漂流団地』ネトフリ独占配信です!!
『ペンギン・ハイウェイ』で第42回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞を受賞し、『泣きたい私は猫をかぶる』も手がけたスタジオコロリドの長編アニメーション映画第3弾。
小学6年生の航祐(こうすけ)と夏芽(なつめ)は、団地で育った幼馴染。夏休みのある日取り壊しの決まった団地で遊んでいると、不思議な現象に巻き込まれてしまう。気づくとそこは、あたり一面の大海原で── 航祐たちは元の世界に戻れるのか。ひと夏の別れの旅がはじまる。
「雨を告げる漂流団地」のネタバレ感想・考察
【ここからは物語の核心を含むネタバレとなります。閲覧される場合はご注意ください。】
※ただ、このネタバレは本作品を観た管理人が解釈して内容を述べ、映画の断面を捉えてるに過ぎません。興味の沸いた方は是非本編をご覧くださいませ。
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友達に誘われて以前住んでいた団地に忍び込んだ航祐は、そこで幼なじみの夏芽と出くわします。夏芽がいたのは航祐の祖父・安次が使っていた部屋で、さらに彼女は安次の遺品を持っていました。
安次が他界して以来2人の仲がぎくしゃくし始めたこともあり、遺品を見た航祐は思わず夏芽から取り上げようとします。
その直後、なぜか団地は海の上に浮いており、航祐たちは夏芽が「のっぽくん」と呼ぶ謎の少年と共に漂流生活を送ることになってしまいました。
果たして航祐たちは無事元の世界に帰れるのでしょうか?
そして「のっぽくん」の正体は・・・?
小学6年生の航祐と夏芽は、かつてはとても仲の良い幼なじみでした。
しかし、夏芽が実の孫である航祐以上に懐いていた航祐の祖父・安次が亡くなってしまったことと、2人が住んでいた団地の取り壊しが決定し、引っ越さなくてはならなくなったことがきっかけとなり、現在は同じ教室内にいても互いに言葉を交わそうとすらしません。
ある日航祐は、友達の太志と譲に誘われて、おばけが出ると噂になっている場所へ探検に行くことになりました。その場所とは、現在取り壊し工事が進行中の、以前彼と夏芽が住んでいた団地です。
作業員らに見つからぬよう、こっそり建物内へ侵入した3人は、やがて安次の部屋にたどり着きました。そうしてそこでうずくまっていた夏芽を発見し、とても驚きます。
どうやら彼女は引っ越した後も度々安次の部屋を訪れているようです。しかも夏芽は安次が愛用していたカメラを持っていました。
思わずカッとなった航祐は、夏芽に対して暴言を吐き、無理矢理カメラを奪おうとします。夏芽はそんな航祐から逃げようとして足をすべらせ、突然激しく降り出した雨の中、なんと団地の屋上から落下してしまいました。
しかし、いつの間にか団地の周りはなぜか見渡す限りの青い海となっており、おかげで夏芽は地面に叩きつけられずに済んだのでした。
夏芽が無事だったことに安堵したのもつかの間、どうして団地が海の上に浮かんでいるのかサッパリわからない一同は途方に暮れてしまいます。夏芽の友達で、彼女が「のっぽくん」と呼ぶ同世代の少年もどこからか現れて行動を共にすることになりますが、一体これからどうすればいいのか、誰にもわかりません。
状況がつかめぬまま、夏芽が持っていたお菓子などでなんとか飢えをしのぎ、数日が過ぎました。海には以前航祐たちが通っていたスイミングスクールや閉店したデパートなど他の建物も漂っており、瓦礫にぶつかったことで団地は沈み始めます。
そこで航祐たちは、浴槽を使った手作りのいかだで団地から脱出することにしました。
しかし、自分が皆をこの海に連れて来てしまったと語るのっぽくんはいかだに乗らず、そんな彼とお別れしたくないと言って夏芽も団地に残ろうとします。
航祐は、安次が生きていた頃の幸せな思い出がつまった団地に執着する夏芽に前を向いてもらおうと、これまでの態度を反省し、素直な気持ちを伝えました。そうして身を寄せ合って激しい雨と荒れ狂う波を耐え切った彼らは、やがて不思議な島にたどり着いたのです。
のっぽくんはそこで航祐たちに別れを告げ、今度は夏芽もそれを受け入れます。すると団地は不思議な光に包まれ、気付けば航祐たちは元の世界へ帰って来ていたのでした。
何故かいきなり建物ごと見知らぬ世界に飛ばされてしまって・・・という舞台設定は、似たような導入から始まる名作がある影響で、殺伐としたサバイバル生活が始まりそうだと考える方は少なくないでしょう。しかし本作は、もちろんトラブルは何度も起きるもののハードなホラー展開を迎えることはないので、安心して楽しめます。
また、付喪神のようなものだと思われるのっぽくんたちの存在や、航祐と夏芽の関係からは、「物に対しても人に対しても大切にする心を忘れてはいけない」というメッセージが感じられ、心温まる作品となっています。