『オールド』Netflix(ネトフリ)独占配信決定!
『オールド』
Netflix(ネトフリ)独占配信です!!
人里離れた美しいビーチを訪れた複数の家族。楽しいひと時を過ごしていた矢先、ひとりの母親が突然姿を消した息子を探している──息子の姿に気付かないのも無理はなかった。なんと6歳だった息子は、少し目を離した隙に青年へと急成長を遂げていたのだ。一体このビーチで何が起こっているのか__?
「オールド」のネタバレ感想・考察
【ここからは物語の核心を含むネタバレとなります。閲覧される場合はご注意ください。】
※ただ、このネタバレは本作品を観た管理人が解釈して内容を述べ、映画の断面を捉えてるに過ぎません。興味の沸いた方は是非本編をご覧くださいませ。
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家族旅行で、とあるリゾートホテルへやって来た姉弟がこの物語の主役です。
到着した次の日、ホテルのスタッフから是非にとすすめられた彼らはワクワクしながら美しいプライベートビーチへと足を踏み入れますが、ほどなくして異変が起き始め、やがてこのビーチで30分過ごすと1年分年をとってしまうことが判明しました。
しかもビーチからはなぜか脱出不可能で、姉弟と同じくホテル側から案内されて遊びに来ていた他の客たちは、老衰や持病の悪化などで次々と命を落としていきます。
両親も亡くなってしまい、もはや生き残っているのは自分たちのみとなった時、ふいに姉弟はホテルに到着してすぐ親しくなった少年から手紙をもらっていたことを思い出しました。
ホテルスタッフの甥だという彼がくれた手紙にはなんとビーチから脱出するヒントが記されており、おかげで2人は無事生還を果たしたのでした。
11才のマドックスと6才のトレントはとても仲の良い姉弟です。
物語は、彼らが両親と共に、美しい海に囲まれたリゾート地のホテルへとやって来たところから始まります。
トレントは開放的なビーチでジェットスキーに挑戦したいと考えていましたが、ホテルのスタッフが「普通は紹介しないが皆さんが好きになった」と言いながらコッソリと島の自然保護区にあるプライベートビーチの存在を教えてくれたため、「特殊な鉱物を含む巨大岩で隔離」されているというそのビーチへ家族4人で行ってみることにしました。
朝食後、早速そのスタッフが手配してくれた車に乗って向かったプライベートビーチには一家の他にも客が案内されており、トレントはその中のカーラという少女と仲良くなって一緒に遊び始めます。
しかし、かくれんぼの最中にトレントが若い女性の遺体を発見したことで、楽しく平和な時間はあっけなく終わりを告げました。
その女性と知り合いらしい男性によれば、彼女は独りで沖の方へと泳ぎに行き、そのまま帰らぬ人となったようです。
カーラの父親は彼の証言を怪しみ、警戒もあらわに警察へ通報しようとしますが、プライベートビーチがあるエリアには電波が届いていないようで、電話をかけることが出来ません。
しかも、それならばと歩いてホテルの方へ戻ろうとすると何故か途中で気絶してしまうという不可思議な現象に見舞われ、八方塞がりの状態に陥ってしまいます。
この降って湧いたような非常事態に誰もが混乱する中、今度はカーラの祖母が突如として苦しみ出し、間もなく亡くなってしまいました。
さらに子どもたちが信じがたいスピードで急成長を遂げたり、負った傷が瞬時に治ったり、砂浜に安置していた女性の遺体がいつの間にか白骨化していたりと異様なことが次々と起こった結果、どうやらこのプライベートビーチでは30分過ごしただけで1年分の変化が体に訪れるようだという結論に至ります。
しかも、亡くなった女性も含めてこの場にいる大人はそのほとんどが何かしらの病を患っていることが判明し、症状の悪化が直接あるいは間接的な原因となって、犠牲者はどんどん増え始めました。
来た道を引き返すのが無理ならば・・・と海へ出たり、ビーチを取り囲む崖を登ってみたりする者も現れますが、やはり皆途中で意識を失い、その結果命を落としてしまいます。
やがてマドックスとトレントの両親も寿命を迎えて天に召され、姉弟はたった2人の生き残りとなってしまったのです。
しかしそこでトレントはふと、この島に到着した日に仲良くなった、伯父がホテルで働いているという少年のことを思い出しました。
そして、プライベートビーチへ向かう際に彼がこっそり渡してくれた手紙を読んでいなかったことに気が付き、その内容を確かめます。
手紙に書かれていたのは「伯父さんはサンゴが好きじゃない」という不思議な一文のみでしたが、トレントはサンゴがこのビーチを取り囲む不思議な力から身を守ってくれるのだと直感的に理解しました。
そうして姉弟はサンゴ礁の隙間を潜り抜けることで、その恐ろしいエリアから脱するまで気絶せずに泳ぎ切り、見事ホテルのある場所まで戻ってきたのです。
2人はすぐさま警察に事情を話し、ほどなくして真実が白日の下に晒されます。
なんと彼らが宿泊していた「アナミカ・リゾート」は、例のプライベートビーチの特性を知ったとある製薬会社が新薬の治験を行うために経営しているホテルだったのです。
到着時に振る舞われる歓迎カクテルには事前に調べ上げた各人の病状に合わせた新薬が入っており、「長期治験を1日で行う」ために何も知らない患者たちをプライベートビーチへ送り込み続けていたのでした。
本作は、異常な速度で成長あるいは老化してしまう場所に閉じ込められてしまうという設定がとくかくユニークで面白いホラー映画です。
最初はゆるやかで当人も気付かない登場人物たちの変化が、ストーリーが進んでいくにつれハッキリと分かるようになり、舞台であるビーチの美しさ・
穏やかさに相反するように恐怖と絶望がどんどん加速していく様子からは目が離せません。
また、細胞の活性化もその場から離れようとすると気絶してしまうのもあくまで自然発生した磁場のせいではあるものの、犠牲者たちは偶然迷い込んだわけではなく、騙されて連れて来られたというひねりと皮肉が効いた展開は実にM・ナイト・シャマランさんらしく、序盤から巧妙に張り巡らされている伏線の数々は見事の一言です。