「リゼロ(Re:ゼロから始める異世界生活)」原作小説18巻を、ネタバレありであらすじ解説・考察をしていきます。
第17巻では、大罪司教4人がプリステラに登場し、王選陣営が窮地に追い込まれました。
エミリアは連れ去られ、ベアトリスは仮死状態に、ミミ・へータロー・ティビーは「死神の加護」の影響を受け、最大戦力で臨んだ都市庁舎奪還作戦は、テレシア・クルガン・カペラの前に失敗してしまいます。
水門から濁流が流れ、プリステラの都市が半分水没する中、スバルはプリシラ、ユリウスと再会。
都市庁舎を拠点にして、再び仲間達が結集し、陣営の垣根を超えて大罪司教との戦いに臨みます。
17巻のあらすじ・ネタバレ解説はこちら
https://pixela.co.jp/vod/rezero-17th/
リゼロ原作小説18巻プロローグ「濁流」あらすじネタバレ
広場ではガーフィール達の戦闘が続いていました。
- ガーフィール・リカード vs 八ツ腕のクルガン
- ヴィルヘルム vs テレシア
激闘の最中、黒竜が黒炎を吐き出し、都市庁舎の最上階を燃やし尽くします。
その時、水門から轟音と共に現れた濁流が、広場にいた全員を飲み込みます。
ガーフィールの視界には、黒竜に連れ去られるスバルとクルシュが見えます。
- 突然現れた大蛇の牙が黒竜の翼に噛みつく
- 黒竜がスバルを落っことす
- スバルも濁流の中に落ちる
ガーフィールは、自身も濁流に飲み込まれながら、大将であるスバルに向けて声にならない声を叫びました。
リゼロ原作小説18巻1章「敗戦処理」あらすじネタバレ
エミリアは、レグルスに最悪の質問を問われ、言葉の意味が分からないと返します。
- レグルスはエミリアの返答に「素晴らしい」と返す
- 今後は、言葉の意味を分からない者しか妻にしないと決める
そして、レグルスは彼の妻である「百八十四番」にエミリアとの結婚式の準備を命じて去ります。
エミリアは、レグルスの振る舞いを見て、本の中の悪い王様だと揶揄すると、「百八十四番」は言いえて妙だと語り、レグルスは「小さな王」なのだと話しました。
その時、エミリア達のいる場所さえも揺れるような衝撃が訪れ、開け放たれた水門から流れてきた濁流が水門都市を飲み込んでいきました。
スバルの異変とプリシラ、リリアナとの再会
スバルが目を覚ますと、四番街の路地の一角で、プリシラ、リリアナと再会します。
- 水門から放流され、都市の半分が水没する
- 幸い、水門はすぐに閉じ、水は引いていった
- プリシラとリリアナが偶然スバルを発見する
スバルは自分の右足が、黒腫が広がる異様な状態となっていることに気付きます。
そこに、プリシラが扇で一撃を入れます。
- スバルの右足の傷はみるみるうちに回復
- カペラの血が垂らされた場所だと思い出す
- 「竜の血」と発言していたことを思い出す
プリステラは、「竜の血」は、神龍ボルカニカが授けた三つの至宝のうちの一つだと話します。
- 竜の血
- 竜歴石
- 盟約
そして、スバルの右足の状態は間違いなく「竜の血」の影響だろうと説明しました。
スバルの折れない決意とプリシラの褒美
スバルは、状況を理解し、都市庁舎に向かった仲間も安否が分からないこと、大罪司教が4人現れていると整理します。
その上で、絶対に事態を解決して見せると決意を示しました。
その気概に対し、プリシラが褒美を与えるといい、街に蔓延る「亜獣」の存在を教えます。
- 獣と武器がいびつに融合した存在
- 目や耳、口いずれかが欠損している
プリシラは空から「太陽剣」を抜き、一閃を持って亜獣を仕留めました。
避難所の状況とプリシラの探し物
三人は、路地から近い四番街の避難所に向かいます。
- 避難所の中は鬱屈な雰囲気となっている
- スバルも異様な空気を感じて警戒する
- 些細なことがきっかけで暴動が発生しそうになる
- リリアナが歌を歌って、避難民が正気を取り戻す
スバルは、「憤怒」の権能が避難所にも届いているとプリシラに説明しました。
ここからは、プリシラとリリアナは避難所を巡りながらシュルトを探しに、スバルは仲間達と合流しにミューズ商会に向かいます。
スバルは、途中で三匹の亜獣と遭遇してしまいますが、そこに「ユリウス」が現れ、無事に合流することができました。
ユリウスから都市庁舎奪還作戦後の動きが語られる
ユリウスは、仲間の状況をスバルに共有します。
- 都市庁舎奪還作戦に参加していたメンバーは全員無事
- ミューズ商会が襲われ、キリタカ、「白竜の鱗」の安否が不明
- アナスタシア達は本部を都市庁舎に移動させた
また、黒竜がスバルとクルシュを連れて飛び去った後、もう一度カペラの放送があり、そこで三つの追加要求が出されたと話します。
- 叡智の書
- 人工精霊
- 銀髪乙女との結婚式
リゼロ原作小説18巻1章の考察、ネタバレ解説
「亜獣」の正体
亜獣は「色欲の大罪司教」カペラに姿を変えられたプリステラの人々です。
武器と融合していることから、放送を聞いて都市庁舎に向かった衛兵達と考えられます。
魔女教からの要求が増えた理由
「魔女の遺骨」を求めたのは、放送をした「色欲の大罪司教」カペラだと考えられます。
カペラは短編集でも魔女の遺産である「襟ドナ」を求めており、魔女に関わる物を蒐集している様子を見せていました。
魔女教同士は対話鏡によって連絡を取っており、他の要求は「強欲、憤怒、暴食」のものである可能性が高いです。
リゼロ原作小説18巻2章「騎士の条件」あらすじネタバレ
水門から流れ出た水を見て、エミリアは人々の救出に動こうとしますが、「百八十四番」が止めます。
- 人々は避難所に避難しているため問題ない
- 勝手に動くとレグルスが気分を害する可能性がある
「百八十四番」のレグルスへの接し方はおかしいとエミリアが話そうとしますが、そこにカペラの放送が流れ、3つの追加要求が伝えられました。
その放送の後、「百八十四番」がエミリアに状況を説明します。
- 現在プリステラには複数の大罪司教がおり、レグルスもその一人
- 「銀髪の少女との結婚式」はエミリアとのこと
エミリアは、自分が勝手に脱走するとプリステラが水に沈むと分かり、慎重に行動することを決めました。
都市庁舎の状況
スバルが都市庁舎に到着すると、見たことのない激情をフェリスが見せていました。
- クルシュが重傷を負った
- フェリスの治癒魔法でも回復しない
- フェリスの全方位への怒りがヴィルヘルムに向けられていた
フェリスは、スバルが到着したのを見て気持ちを取り直し、異常がないことを確認すると、すぐにクルシュの部屋に戻ります。
スバルが、「竜の血」について話すと、リカードがスバルに「ギルティウィップ」を渡してから、それを伝えにフェリスを追いかけました。
- 都市庁舎の戦いで、黒竜が色欲からスバルとクルシュを奪い返す
- クルシュは意識を失っている
- クルシュが落ちないように、スバルがギルティウィップで黒竜と繋いでいた
ユリウスは、リカードに「らしくない」と激励されながら、スバルをアナスタシアの元へ案内します。
そこにアナスタシアが現れ、スバルと二人で大事な話があると部屋に連れていきました。
スバル・アナスタシアの情報共有
スバルとアナスタシアは、二人きりの部屋で状況の共有を行い、山積している問題を整理していきます。
- スバルはプリシラ、リリアナと出会った
- 「竜の血」の呪いによりスバルの右足が黒く染まっている
- 黒竜・蝿にされた人々は意思疎通が可能
- 蝿となった人達は3階の1箇所に集合している
- 避難所は「憤怒」の権能の影響で混乱が出始めている
アナスタシアは、スバルにベアトリスが「人工精霊」であることを確認し、スバルはそれを肯定します。
返すように、スバルは、アナスタシアにミューズ商会で起きた出来事を聞きました。
ミューズ商会が「憤怒」に襲撃される
事態の始まりは、キリタカがしたアナスタシアへの報告でした。
- 十人会を保護しに向かった「白竜の鱗」から報告があった
- 自分以外の十人会のメンバーは既に全滅
- 恐らく、最初のお昼の放送の前にはこの状態
- 次に狙われるのはキリタカ
- 自分が注意を惹きつけているうちにアナスタシアは逃げて欲しい
キリタカがそう話した瞬間、ミューズ商会の入り口から爆発音がし、「憤怒」の大罪司教、シリウス・ロマネコンティが現れます。
アナスタシアは憤怒の権能によって足が動かせなくなりますが、その危機にへータロー、ティビーが登場します。
- フェリスの禁じ手で、瀕死状態のへータロー、ティビーが痛みを感じなくなり復活
- シリウス相手に時間稼ぎをする
- アナスタシアが建物を脱出
- 鉄の牙、フェリス、へータロー、ティビー、ミミ、ベアトリスが脱出
- キリタカと白竜の鱗が憤怒と対峙する
キリタカは、考えている手があると話していましたが、その後は安否不明の状態となってしまいました。
そして、他のメンバーは都市庁舎で主力メンバーと合流し、ここを本部に変更したのでした。
アナスタシアが話す「身を切る覚悟」とは
アナスタシアは、追加要求の残りの二つについて話を戻します。
叡智の書 | ・スバルが「既に燃えて二冊とも灰になっている」と説明 ・「魔女から聞いた」と情報の根拠を示す ・アナスタシアが魔女教が言うからには残っている可能性もあると伝える |
---|---|
銀髪の乙女との結婚式 | ・レグルスの要求だと疑う余地なし、許容不可 |
スバルは、絶対にこの状況を打開してみせると、強い憤りを見せます。
そのスバルの姿勢を見て、アナスタシアも賛同しますが、スバルに「身を切る覚悟」もしなくてはいけないよと助言しました。
都市庁舎最上階でユリウスが合流
スバルは、確認したいことがあると、アナスタシアを連れて都市庁舎の焼け焦げた最上階に向かい、そこでユリウスと合流しました。
ユリウスが、避難所の被害報告を躊躇うと、アナスタシアが怒ります。
- 大きな物を救おうとしたら、小さな物は手から溢れる
- 大事なのは、溢れた小さな物から目を逸らさないこと
- その犠牲を受け入れ、忘れない覚悟を持つこと
- 今ならユリウスよりもスバルの方が騎士らしい
アナスタシアの叱責に、ユリウスは犠牲を呑む覚悟をしようとしますが、そこにスバルが口を出し、騎士の在り方をアナスタに説きます。
- 騎士とは、自分の命を賭して守る覚悟を常に持つ者
- 理不尽な脅威に対しては、覚悟のある自分達が挑んで守る
- 最も大切な剣を預けた相手だけでなく、村や街、国の人々を守る
- その一つも零したくないと願う者が騎士
「最優の騎士」と称されるユリウスならばなおさら、小さなものを犠牲にすることはできないだろうと、スバルは話します。
騎士とは、守るべき全てを守る者だと、アナスタシアに告げました。
英雄幻想
それは「英雄幻想」で、何も守れずに全員を巻き込んで犠牲にする考え方だと、突然部屋に現れたアルが厳しく批判します。
そして、エミリアからスバルへの伝言メッセージを預かってきたと、エミリアの無謀な行動に嘆息しながら告げました。
リゼロ原作小説18巻2章の考察、ネタバレ解説
アルがスバルの考えを「英雄幻想」だと怒った理由
かつてアルは「嫉妬の魔女」に挑んで敗北しており、その後、世界の半分は嫉妬の魔女に飲み込まれています。
恐らくアルはスバルにかつての自分を重ねており、かつての自分の愚行に対して怒っているのだと思われます。
この後も協力を求めるスバルに対して「それが兄弟の本音ならな」と睨み付けていることから、当時今のスバルと同じ状況にあったアルは、今のスバルの心持ちとは異なり、全てを背負いたくないと考えていたのだと予想されます。
リゼロ原作小説18巻3章「最も新しい英雄と最も古い英雄」あらすじネタバレ
エミリアは、白のドレスを着て、「百八十四番」と一緒にレグルスと会います。
- レグルスがエミリアには白いドレスが似合うと話す
- エミリアの暗い顔をみて、「色欲」の放送が原因かと考え怒る
- エミリアが疲れていると話すと、部屋で休むように伝える
- エミリアの疲れの原因は世話役の「百八十四番」にあると考え、攻撃を仕掛ける
- エミリアが間一髪で「百八十四番」を助ける
警戒するエミリアでしたが、レグルスは何事もなかったかのように部屋の外に出ていきました。
敵陣のなかで暗躍するエミリア
エミリアは、4つの制御塔のそれぞれに大罪司教が配置されていると知り、自分のいる三番街の制御塔の大罪司教がレグルスであることをスバルに伝えるため、動き出しました。
- 自分似の氷像を作ってベッドの上に寝かす
- 屋外に氷の足場を作って自由に移動する
レグルスの声が聞こえる部屋の外で、エミリアはしゃがんで中の声を聞きます。
- レグルスが対話鏡を通じて誰かに怒鳴っている
- 相手は「色欲」の大罪司教で放送に対して文句を言っている
- 水門の放流に対しても怒ったが、「色欲」は自分ではない、侵入者があったと弁明する
「百八十四番」とは異なる妻がレグルスの私室を訪れ、結婚式場の装飾の指示を仰ぐと、レグルスが部屋を後にします。
「対話鏡」のミーティアでアルに伝言をお願いする
エミリアが部屋の中に入ると、対話鏡が受信を知らせる反応を見せます。
- 対話鏡から「アル」が出てくる
- アルが驚愕する
- エミリアがスバルへの伝言といい、三番街の制御塔はレグルス、一番街の制御塔はカペラがいると伝える
- スバルへの絶対的な信頼をエミリアは口にする
- アルが仕方なく受け、エミリアがそれを絶大的に信頼する
エミリアは、アルに対する不思議な信頼感を感じており、それがアルとスバルが似ているからだと結論づけました。
そして、役目を果たせたと感じたエミリアは、氷の足場を渡って元の自分の部屋に戻ります。
アルの伝言とガーフィールとの再会
都市庁舎の最上階、アルの後ろからガーフィールが現れ、スバルに飛びつくように抱きつき、スバルが無事だったことに安堵します。
- ガーフィールは匂いを頼りに街でスバルを捜索
- 一度水没したため、途中で匂いが途切れたり混乱
- スバルの匂いを見つけたと思った先でアルいた
- アルがエミリアからの伝言を預かっているというので連れて来た
そして、アルがエミリアからの伝言をスバルとアナスタシアに伝えます。
- 一番街の制御塔:色欲の大罪司教、カペラ
- 三番街の制御塔:強欲の大罪司教、レグルス
- ベアトリスを大切に
最後の伝言にスバルはエミリアらしさを感じ、アルからのメッセージを信じます。
放送のミーティアで希望を伝える
アルの問いかけに対し、スバルは放送のミーティアが状況を変える切り札だと説明します。
放送によって希望を与える案を提案しますが、アナスタシアが魔女教の動きを警戒して止めます。
しかし、スバルは魔女教と先程の水門解放には関連性がないと話しました。
- 水門が解放されたのは一番街の制御塔
- 一番街の制御塔の担当は「色欲」カペラ
- 「色欲」は水門解放の時、都市庁舎にいた
スバルの説明に加えて、アルが「奴らは負けたことがない。こちらの動きを気にもかけていない」と冷たい声で告げます。
そこまで聞いて、アナスタシアも放送案に賛意を示します。
スバルとアル、放送する人物
スバルはアナスタシアやユリウスなどに、放送を依頼しようとしますが適任ではないと断られます。
ガーフィールが、「大罪司教を倒した男」がプリステラの人々に希望を与える最も相応しい人物だと話し、スバルを推薦すると、アナスタシアとユリウスもそれに賛同しました。
しかし、アルがそれに反対します。
- スバルは自分と同じ凡人
- 凡人に全ての命運を背負わせるようなことはするな
- 自分はプリシラだけを守る、スバルはエミリアだけを守る
- 全てを守ろうとするのは「英雄幻想」だ
- もしそれをやるなら、絶対に負けてはいけない。スバルの負けは、スバルだけの負けでなくなる
スバルはアルの言葉に感謝し、自分が話す決意を固めます。
スバルの演説がプリステラに希望を届ける
スバルが、放送のミーティアを使ってプリステラ中に響く演説を行います。
スバルの言葉は、絶望を感じていたプリステラの人々に寄り添うもので、自分と同じ立場である青年が、絶望に屈さず戦うと叫ぶ声に、プリステラ中の人々の心に闘志が湧き起こります。
そして、スバルが自分は大罪司教を倒した精霊使いであり、俺に任せておけと叫ぶと、プリステラを覆っていた絶望が希望に変わりました。
オットーが「鬼札」を連れてくる
スバルの演説に、その場にいた王選陣営も全員賛辞を送ります。
プリステラの人々の気持ちを落ち着かせたことで、次は「四つの制御塔の同時攻略作戦」についての会議ということになりました。
すると、オットーが現れ、「剣聖」ラインハルト・ヴァン・アストレアを連れてきたと言いました。
ラインハルトは、到着の遅れを詫び、改めて大罪司教討伐作戦への参戦を告げました。
リゼロ原作小説18巻3章の考察、ネタバレ解説
アルが対話鏡を使った理由
対話鏡の先で誰が登場するかはアル自身も分かっていないので、積極的に対話鏡を使った理由は謎です。
この緊急事態に目的が曖昧な行動をすることは不自然であり、アルの行動は「失敗前提の情報収集」又は「叡智の書の指示に従っている」ように見えます。
エミリアがアルに感じる不思議な信頼感
エミリアは、アルがスバルに似ていると感じ、不思議な信頼感を持つようになりました。
アルとスバルの同一人物説は数多くあります。
- レムが王都でアルから魔女の瘴気を嗅いでいる
- ガーフィールがスバルの匂いを辿ってアルにたどり着く
- アルがスバルを「兄弟」と呼んでいる
ここからはネタバレ考察です。
「魂の回廊」で、スバルは、もう一人のスバルに対して最初「よう、兄弟」と声をかけ、すぐに「よう、もう一人の俺」と言い直しています。
この発言から、魂の複製によって生まれた存在をスバルは「兄弟」と呼ぶ癖があることが分かり、アルとスバルが「元々は同一の魂を持った別々の存在」であるのなら、全ての事象に説明がつきます。
フリューゲルからアルとスバルが生み出されたのか、アルからスバルが生み出されたのかは不明ですが、いずれにせよ元となっているオドは共通している可能性が極めて高いと考えられます。
リゼロ原作小説18巻4章「歴史刻む星々」あらすじネタバレ
ラインハルトの登場に、スバルは喜びつつも、もっと早くこいよと本心を伝えました。
そして、皆も言いたいことがあれば言った方が本人のためだと言うと、その場にいた面々もラインハルトに思い思いに言葉をぶつけ、気まずそうにしていたラインハルトも、リラックスして輪の中に入ることができました。
朝食から今までのラインハルト
ラインハルトは、遅参した理由を説明します。
- 朝食後、フェルトと一緒にハインケルの元を訪ねる
- アストレア領についての話し合いを行う
- 「色欲」のカペラのお昼の放送が始まる
- ハインケルがフェルトを人質にとり、ラインハルトに自分の護衛を要求する
- そこから今まで動くことができなかった
そこに、たまたまオットーが通りかかり、魔法でハインケルの隙を作ったことで、ラインハルトがフェルトを奪い返したと話しました。
フェルトはトンチンカンと共に避難所に避難しており、ハインケルは拘束状態となっています。
朝食から今までのオットーの動き
続いて、オットーが自分の動きについて説明しました。
- 朝食後、陸路でキリタカのいるミューズ商会へ向かう
- 途中、制御塔を襲撃していた大罪司教「暴食」と遭遇してしまう
- 「白竜の鱗」がオットーを逃す
- 亜獣に警戒しながら慎重に動いていたところ、ラインハルトと遭遇する
そして、スバルの放送を聞いて、ラインハルトと共に都市庁舎に向かった、とオットーは一連の動きを話します。
オットーと叡智の書
大罪司教の追加要求の話になると、オットーが「叡智の書」をプリステラに持ち込んだのは自分だと話し始めました。
- 発見場所と持ち込んだ理由は陣営内部の問題なので明かさない
- 初日のミューズ商会での交渉決裂後、「復元師」ダーツの元を訪ねていた
- ダーツであれば灰からでも本を復元することができる
スバルはオットーに驚愕しつつも、自身も「人工精霊」はベアトリスのことだと全員に共有しました。
大罪司教の配置を確認する
王選陣営は、エミリアからの伝言、オットーが遭遇した「暴食」の情報から、制御塔にいる大罪司教の配置を確認します。
一番街 | 「色欲」カペラ・エメラダ・ルグニカ |
---|---|
二番街 | 「暴食」ロイ・アルファルド |
三番街 | 「強欲」レグルス・コルニカス |
四番街 | 「憤怒」シリウス・ロマネコンティ |
そして、この情報をもとにそれぞれ相性の良いメンバーで臨もうと割り振りを検討していきます。
アルの激しい激情、プリシラ・リリアナとの再会
スバルがアルにも参加してもらうぞと話すと、アルは激しい感情をスバルに向けます。
それが兄弟の本気の本音なら、オレも協力するのは吝かじゃねぇんだがな
アルはそう言ってスバルの手を振り払うと、仮面の下で激しい感情を持った目でスバルを睨みます。
そこに、陽気な声でリリアナが登場し、その後ろからシュルトを連れたプリシラが現れました。
プリシラが大罪司教討伐への参加を示すと、アルも仕方ないとそれを呑みました。
オットーが叡智の書を復元しようとする理由
場が騒然となった隙を見て、スバルはオットーを連れ出し、「叡智の書」についてオットーに問いただします。
- オットーはロズワールのことを全く信用していない
- 1年以内に怪しい動きはないが、過去に未来のことを策謀していた可能性はある
- 叡智の書の過去の記述が分かれば、未来に策謀がないことを確認できる
- だから聖域でロズワールの叡智の書を探し、ギーツに復元を頼んだ
- 味方陣営の誰も傷つかない確証が欲しかった
スバルは、オットーの行動の目的について理解を示します。
オットーは、これから自分が叡智の書の回収に向かうと言いました。
ヴィルヘルムが死者を操る魔女の名前を語る
ヴィルヘルムが、クルシュが目覚めてスバルを呼んでいると伝えます。
クルシュの部屋に向かう途中、都市庁舎前にいた二人の人物についてヴィルヘルムが明かします。
- 八ツ腕のクルガン
- テレシア・ヴァン・アストレア
二人とも間違いなく命を落としており、死体を操っている人物がいるとスバルに伝えました。
そして、先の亜人戦争において、同じように死体の大軍団で王国の脅威となった人物がいたことを説明します。
- 亜人族の英雄:リブレ・フエルミ
- 大参謀:バルガ・クロムウェル
- 魔女:スピンクス
この「魔女」が、クルガン、テレシアに関わっているのではとヴィルヘルムは睨んでいました。
クルシュの竜の呪いを解くヒントを得る
スバルが部屋に入ると、弱々しく体を起こすクルシュと、側に控えるフェリスがいました。
- クルシュは、自分と同じ竜の呪いを受けたスバルを心配していた
- スバルはクルシュの高貴さに驚く
- クルシュの手を掴むと、激痛と共にクルシュの黒い呪いがスバルに移動し、クルシュの呪いが薄れた
- スバルの体は問題が生じず、この方法でクルシュを助けようとするが、止められる
クルシュは、プリステラの後のことはスバルに任せたと話し、安心したように再び眠りにつきます。
フェリスも戦いに参加することを表明し、スバルはヴィルヘルムと共に作戦会議に戻ります。
四番街の制御塔「憤怒」にはプリシラ、リリアナ
作戦会議場では、プリシラが主張を続けていました。
- 四番街の制御塔、「憤怒」には自分とリリアナが当たる
- リリアナの歌は、憤怒の権能に対抗できる
スバルが納得しながらも、リリアナに憤怒に対抗できる保証となる加護がついていないかと、ラインハルトに水を向けます。
すると、ラインハルトが異常な言葉を紡ぎました。
- 他者の加護を見れるのは「審判の加護」
- 今、それを授かった
- リリアナに「伝心の加護」がついている
スバルは、ラインハルトの異常さに異常さを感じますが、話はプリシラとリリアナが四番街を担当するという話で落ち着きます。
一番街の制御塔「色欲」にはヴィルヘルム、ガーフィール
話は、相手の戦力が最も高い一番街の制御塔に向けられます。
- 「色欲」の大罪司教、カペラ・エメラダ・ルグニカ
- テレシア・ヴァン・アストレア
- 八ツ腕のクルガン
- 亜獣
この制御塔の攻略には、因縁のあるヴィルヘルム、ガーフィールが向かうことになりました。
三番街の制御塔「強欲」にはスバル、ラインハルト
「強欲」の大罪司教、レグルス・コルニアスは「無敵」のような権能を持っており、ここを撃破するためには「最強」ラインハルト・ヴァン・アストレアの力が必要だと考えます。
ラインハルトは、相手の戦力が揃う「色欲」を望みましたが、祖父であるヴィルヘルムがそれを退け、スバルの剣になるよう言われます。
スバルが、ラインハルトでは届かない部分をフォローすると話した後、大まかな役割分担を伝えました。
二番街の制御塔「暴食」にはユリウス、リカード
スバル、ヴィルヘルムは、本来であれば自分達が相手にしたい「暴食」を、ユリウスとリカードに託します。
ユリウスとリカードはその気持ちをしっかりと受け止め、必ず撃退することを誓いました。
しかしこの時、ユリウスの体調が悪いように見え、アナスタシアに心配される描写が描かれています。
対話鏡の分配
本部である都市庁舎には、アナスタシア、フェリス、アルが残ることになります。
そして、手元にある三つの対話鏡については次のように分配されます。
プリシラ・リリアナ | ・「憤怒」の権能はプリステラ全体に大きな影響を与えている ・シリウスが倒されれば、「放送」を使ってより自由に連絡ができるようになる |
---|---|
アナスタシア | ・都市庁舎で全体の指揮命令をとる ・襲撃チームからの連絡を受け、連絡・救援の指揮をとる |
ヴィルヘルム・ガーフィール | ・「強欲」に対するスバル達は、ラインハルトがいることで一瞬で片付く可能性もある ・「暴食」より「色欲」の方が、相手戦力が充実しているため、緊急連絡が必要となる可能性が高い |
これで、王選陣営の作戦会議が終了し、いよいよ制御塔の奪還作戦が開始されます。
エミリアが結婚式へ
アルに伝言を伝えて部屋に戻ったエミリアの前に、「百八十四番」が立っていました。
- エミリアが氷像を身代わりにして逃げたと思っていた
- レグルスに報告しないことに人生最後の勇気を出した
- 自分は妻に召される前、レグルスに村人全員を喪失された
- 291人いた妻は、238人が既にレグルスによって喪失している
エミリアは、もう一度立ち向かおうと声を掲げますが、「百八十四番」はそれは無理だと応えます。
そこに、スバルの放送が流れました。
エミリアは、「百八十四番」に私の騎士様だと説明し、「百八十四番」を救うために、レグルスとの結婚式に向かいました。
リゼロ原作小説18巻4章の考察、ネタバレ解説
ベアトリスの叡智の書も復元が可能か
ベアトリスの叡智の書は禁書庫の炎の中に落ちましたが、灰として残っている可能性はあります。
ただし、禁書庫は隔絶した空間であり、通常は向かうことができないため、回収は難しいのではと思われます。
陰魔法で禁書庫に繋げられれば灰を回収できる可能性はありますが、より現実的なのはパンドラによる「事象の書き換え」で元の禁書庫を復元する方法です。
魔女スピンクスはどこにいる?
亜人戦争の最後にライプに拾われている場面が描かれていることから、プリシラの屋敷のどこかに存在する可能性が高いと思われます。
ライプの姿形は「リューズ・メイエル」ですが、もしかすると違う形に変貌しているかもしれません。
ヤエとの関連性も気になりますね。
クルシュの竜の血の呪いがスバルに移動できる理由
ネタバレ考察となりますのでご注意ください。
7章で明らかになりますが、スバルの体内には「ウルガルムによる呪いの残滓」と「竜の血の呪い」が入っており、本来はどちらも宿主に危害を加えるものですが、互いにスバルを自分のものにしようと作用したことから、どちらもスバルを生かそうとする動きをしています。
このことから、スバルの体内の「竜の血の呪い」は、ウルガルムの呪いの残滓からスバルを守るためにより大きな力を求めており、そこにクルシュの「竜の血の呪い」が共鳴して、スバルに移動したのだと考えられます。
ラインハルトの不自然さ
ラインハルトは望んだ時に望んだ加護を受け取れるという異常事象を発揮し、リゼロ世界の「不自然さの頂点」である理由を見せつけました。
この事象は、世界の外側にいて、加護を授けている存在に愛されている可能性を示唆していると思われます。
本来意思を持つはずのない「オド・ラグナ」など、異なる次元の存在がラインハルトに大きく味方をしている可能性が高いです。
リゼロ原作小説18巻5章「いつか好きになる人」あらすじネタバレ
エミリアと「百八十四番」は、結婚式用のドレスを着て、装飾をし、結婚式場である聖堂に向かいます。
- レグルスがエミリアの美しさを絶賛する
- かつてエミリアに似た自分の理想に近い女性がいた
- 妻に迎える前に手放し、彼女のための「七十九番」を空けていた
- エミリアを「七十九番」と呼び、運命だと告げる
エミリアは、いくつか話があると切り出すと、それを前にレグルスが自分から話し始めます。
レグルスの顔に対する愛情
レグルスは、エミリアへの愛情を語ります。
- エミリアの顔が好き
- 顔が好きだから、表情を崩すことを禁じる。笑うな、泣くな、喜ぶな、怒るな
- 何を考えていても、顔が可愛ければ愛する
- 傷つけることもあるけど、可愛い顔を永遠に愛する
妻を番号で呼ぶことも、「顔」以外の要素を省くための、自分の愛なんだと説明しました。
エミリアが好きになる人
エミリアは、自分がいつか好きになる人を話します。
- スバルが自分を「エミリアたん」と呼ぶのが好き
- たまに、真剣な時に「エミリア」と呼ぶのが好き
- 結婚は、好き同士の二人がするとても幸せなもの
- 自分はまだ子供で、女の人として男の人を好きになる気持ちが分からない
- でもいつか人を好きになる時、その相手はスバルだと決めている
だから、エミリアはレグルスの妻にはなれないと断言し、その場に緊張が走る。
スバル、ラインハルトが聖堂に到着
スバルとラインハルトが、エミリアの結婚式場に到着し、二人で扉を蹴飛ばします。
一つは単純に開いただけで、一つはレグルスに向かって猛烈な勢いで飛んでいきました。
エミリアがドアの方に顔を向け、喜びの表情でいっぱいになります。
スバルが、「花嫁をさらいにきたぜ」と宣言しました。
オットーが「暴食」と遭遇
「叡智の書」を回収しに、オットーは単独でダーツの仕事場に向かっていました。
亜獣に気配を悟られないよう慎重に進んでいきますが、広場にいた異様な雰囲気の少年に見つかってしまいます。
少年は魔女教大罪司教「暴食」担当、ライ・バテンカイトスと名乗り、オットーを歓迎します。
その名は、都市庁舎の屋上でユリウスが聞いた「ロイ・アルファルド」ではなく、白鯨戦後にレムを襲った暴食が名乗った名前でした。
リゼロ原作小説18巻5章の考察、ネタバレ解説
「七十九番」はフォルトナにつけた番号
レグルスは、エリオール大森林でフォルトナと出会った時に花嫁になることを提案しています。
その時に提案した番号が「七十九番」でした。
レグルスはエミリアを見てフォルトナを思い出しており、それ故に花嫁に迎え、「七十九番」の席を与えようとしていたのでした。
リゼロ原作小説第18巻のストーリーの流れ
- キリタカ以外の十人会がカペラの初回放送前に死亡していたことが判明
- 「憤怒」の大罪司教がミューズ商会を襲撃する
- キリタカ・白竜の鱗が殿を務め、アナスタシア達は都市庁舎に向けて避難
- 一番街の制御塔から水門が放たれ、プリステラが半分水没する
- 都市庁舎にも濁流が押し寄せ、敵・味方共に飲まれる
- カペラが三つの追加要求の放送をし、去っていく
- 王選陣営の本部が都市庁舎に移動される
- スバルがプリシラ・リリアナと合流
- プリシラ・リリアナは避難場所を助けながらシュルトを探す
- ミューズ商会に戻ったスバルがユリウスと合流、都市庁舎へ向かう
- 都市庁舎に参加した全員の無事を確認、クルシュが「竜の血」の影響で重症
- スバルとアナスタシアが状況整理
- 都市庁舎の屋上でスバルが騎士の条件を説く
- アル・ガーフィールが合流
- スバルの演説でプリステラの絶望が希望に変わる
- 作戦会議が始まる
- オットー・ラインハルトが合流
- 4つの制御塔の大罪司教の配置が判明
- オットーが叡智の書を持ち込み、復元しようとしていたと判明
- プリシラ・リリアナが合流
- ヴィルヘルムがテレシア、クルガンの死体が「魔女スピンクス」に操られていると説明
- クルシュの「竜の血」の呪いをスバルが引き受けられると判明
- 各制御塔に向かう奪還メンバーの割り振りが決まる
- エミリアが結婚式場でスバルを「いつか好きになる人」と話す
- スバル・ラインハルトが結婚式場に登場し、レグルスと対峙する
- オットーが「暴食」、ライ・バテンカイトスと対峙する
続きの19巻のあらすじ・ネタバレ解説はこちら
https://pixela.co.jp/vod/rezero-19th/