ウルガルムの襲撃を撃退した後、リハビリがてら屋敷の拭き掃除をしていたスバルの元に、エミリアが訪れます。
ラムから、アーラム村に吟遊詩人が来ていると言う話を聞いたようで、スバルの仕事を中断させて、二人でアーラム村にデートに行くことになりました。
吟遊詩人リリアナとの出会い
アーラム村でのリリアナの歌を聴き、感動でエミリアがリリアナの手を取ります。
- リリアナはエミリアの可愛さに驚き、女神様かと疑う
- エミリアで一曲歌い始める
- 途中でエミリアがハーフエルフであることに気付き驚愕する
スバルがリリアナの関節を極めようとしますが、エミリアがスバルを怒ります。
リリアナは、エミリアの美しさと優しさに感激しています。
ロズワール邸に招かれるリリアナ
ロズワール邸の応接間に、村に居た時とは別人のように、青い顔で萎縮しているリリアナが座っています。
エミリアの認識阻害ローブを看破して、ハーフエルフであることを見抜いたリリアナを放っておけないと、スバルがアーラム村から連れてきたのでした。
リリアナは、そうとは知らず、辺境伯であるロズワールのお屋敷に招かれたことに緊張しています。
- リリアナは、ラムの「お茶」とレムの「お菓子」につられてお屋敷にきた
- レムのお菓子は超絶品で、それを食べたことで一気に緊張が解ける
- レムが、リリアナの楽器リュリーレをみて、吟遊詩人であるリリアナに目を輝かせる
- リリアナがルグニカ王国の名歌「剣鬼恋歌」はどうでしょうかと提案する
そこに、ラムがノックをして部屋に入り、ロズワールをリリアナに紹介しました。
貴族の中でも高い地位である辺境伯、その相手が奇抜な格好と化粧をして現れ、リリアナは言葉を無くし、硬直してしまいます。
エミリアが、リリアナの「珍しい話を探している」という目的に、ロズワールが力になれるのではと思って連れてきたと話しました。
リリアナの旅の目的
ロズワールは、リリアナの力になることを約束し、旅の目的を聞きます。
リリアナは、緊張していた空気を一瞬で変え、真剣な表情で「最も新しい伝説」を探して旅にしていると話しました。
- 吟遊詩人は、物語を歌って生きている
- 歌は、起こった過去を、人々の間で歴史として根付かせる
- その詩人が死んだ後も
- リリアナは、最も新しい伝説を探し、それを歌うことを目的にしている
そして、「英雄譚」を求めているとリリアナは言いました。
しかし、現在の世界はある程度の平和があり、英勇が生まれる環境ではないことから、英雄譚を探すことは簡単ではありません。
しかし、ロズワールは「面白い!」と言い、英雄譚に心当たりがあると話します。
そして、リリアナにその話をして良いのか、見極める必要があるといい、リリアナはロズワール邸に数日滞在することになります。
白装束の襲撃者
アーラム村に置いてきたリリアナの荷物を取りに、リリアナ、スバル、レムの三人は、アーラム村への道を歩いています。
その道すがら、全身白い衣をまとった4人組が現れ、刃を掲げて襲いかかってきました。
レムが先頭の1人を粉砕すると、あっという間に退散していきます。
リリアナは、白装束の4人組は自分を追いかけ回していると説明しました。
ロズワールの思惑
ロズワール邸に戻ったスバルは、レム、ラム、ロズワールと会談の場を持ちます。
ロズワールの目的は、エミリアの宣伝担当としてリリアナを活用することで、リリアナがハーフエルフであるエミリアを喧伝することに拒否感を持たないかを見極めているところでした。
そして、リリアナの脅威を取り除けば、それを理由にこちらの要求を飲んでもらえると語ります。
リリアナの言い分
スバルは、エミリアと一緒にいるリリアナの元に戻り、先の襲撃の心当たりを聞きます。
- 二週間程前からものがなくなったりした
- 襲撃されたのは先程のが初めて
- 二週間前はウォーウォーという村に滞在
- そこのお金持ちのお爺さんに可愛がられ、ご馳走、服、新しいリュリーレを買ってもらったりした
- 一代で財を築く「絶対には歌ってはいけない歌」も教わった
そして、二人の前で、リリアナはその歌を歌おうとします。
スバルは、襲撃の原因が分かりました。
そして、全てレムが穏便に対処しましたが、その後の三日間で10回の襲撃がきます。
ラムは、原因を調べるためにウォーウォーに向かっていました。
リリアナのファン
ロズワール邸にいる女性陣3人とスバルは、夜になるとリリアナの歌を聴きにきます。
全員がリリアナの歌のファンになってしまっており、その日の夜も、「剣鬼恋歌」の全5幕のうちの2幕を全員で聴き入っていました。
歌が終わると、ベアトリス含めて全員が満足して拍手します。
しかし、その時レムが違う行動をとりました。
- 手に小さな鉄球を持つ
- 外に向けて投げる
- 襲撃者に命中し、仲間が気絶した者を引きずって退散する
レム曰く、襲撃には白装束のグループと、粗野な格好をしたグループの二種類がいるとのことです。
守りばかりでは襲撃も収まらないと考え、スバルが女性4人にある作戦を提案します。
スバルの作戦
- スバルとリリアナに変装したベアトリスが夜の庭園を散歩
- 8人程度のゴロツキグループに捕まり、暗い小屋に連行される
- 雇い主と見られる青年「キリタカ」が現れる
- キリタカはリリアナのストーカーだった
キリタカは、リリアナではない別人だと気付くと驚愕します。
そして、ベアトリスによってゴロツキグループは壊滅しました。
リリアナが、キリタカはウォーウォーの前に寄った町のお金持ちの息子だと説明しました。
スバルとリリアナが本当にさらわれる
ロズワールの尋問も終わる頃だろうと、スバルが執務室に行こうと提案します。
リリアナは、話し合いをするなら洋服とリュリーレを置きたいと話したため、スバルとリリアナは客室のある東棟に向かい、エミリアは本棟最上階の執務室に向かいます。
- レムが慌てて階段から降りてくる
- キリタカはミューズ商会の跡取りでリリアナのストーカー
- しかし、白服の男たちは全く関係ないと話す
- レムとエミリアが慌ててリリアナの部屋に向かう
- スバルとリリアナの姿がない
歌の意味
スバルとリリアナは、簀巻きにされた状態で荷台の上にいました。
四十代の男は、傭兵「白竜の鱗」だと話し、スバル達と話し合いがしたいと言います。
- 傭兵団は10年前は活発に活動していたが、今は規模を縮小
- 最後の仕事を終えたら解散する予定
- 傭兵団の金庫番が財産を全て盗んで姿を消した
- ある街で豪華な屋敷を立てて豪勢な暮らしをしていたが、それをようやく傭兵団が発見
- しかし、男は財産を洞窟に隠してミーティアで封印をした
- 封印を解く鍵は「歌」
スバルは、リリアナが洞窟の前で歌を歌えば解決すると、男との間の妥協点を見つけます。
しかし、リリアナはお金のためには絶対に歌わない、歌を馬鹿にするなと激怒し、交渉が決裂してしまいました。
洞窟の顛末
洞窟のミーティアによって封印された場所の前で、リリアナが「白竜の鱗」の説得を受けています。
- スバルは、リーダー格の男から私利私欲のためではない事情があることを聞き出す
- 絶対に歌わないと決めているリリアナを前に、歌わなくて良いと話す
- そして、封印の横の岩壁を掘って、横道を作ればいいと提案した
白竜の鱗のメンバーが掘削作業に勤しむ間、スバルとリリアナの元にラムが合流します。
そして、ウォーウォーの富豪は先日亡くなっていたこと、方々から恨みを買っていたことを説明しました。
また、富豪の屋敷からまだ見つかっていない二つの財産について話します。
- 自分の好きなもので封印を施すミーティア
- 闇市場から買った魔獣「剛猿」ラウーダ
ラムがこの話をした瞬間、洞窟にラウーダが現れます。
すぐに全員が洞窟から抜け出そうとしますが、リリアナが母様からもらったリュリーレのケースを探しに、洞窟の先へ戻ってしまい、スバルが追いかけます。
- ラウーダの足元にリュリーレがあるのが見つかる
- スバルがリリアナを白竜の鱗のリーダーに預ける
- 自分一人でリュリーレを拾いにいく
ラウーダの攻撃がスバルに襲いかかる瞬間、ラムの風魔法が炸裂します。
それでも執拗に襲ってくるラウーダでしたが、洞窟に到着した、レム、エミリアによって粉砕され、氷像となりました。
エミリア達が洞窟にたどり着けた理由
キリタカがリリアナに送った花飾りは、発信機と受信機の役割を果たすミーティアで、これで居場所を突き止めたということでした。
スバルは、洞窟の前で沈む白竜の鱗のメンバーの動機を説明します。
- 構成員の郷土に三大魔獣の一角「黒蛇」が現れる
- 土壌汚染が進み、風土病が現れる
- 暫くそこで生活していると、石化していく
- 若い構成員の家族はまだ存命だが、リーダーの家族は失われている
- 土壌汚染、石化を解決するためには無色の魔鉱石が大量に必要
- その購入資金が必要だったが、一人の裏切りにより水泡となった
この話を聞いて、リリアナは「自分の誇り以外の大切なものに気付けなかった」と後悔し、キリタカにある話を持ちかけます。
- キリタカが必要な資金を肩代わりにする
- ミューズ商会の主な商品は魔鉱石で、数を集めるのも問題ない
- 代わりに、白竜の鱗を用心棒として雇う
キリタカ、白竜の鱗もロズワールに許され、これで事態は解決しました。
スバルのリクエストで、洞窟の前でリリアナが歌を歌います。その声に、全員が魅了され、白竜の鱗のメンバーもリリアナのファンになってしまいます。
リリアナとのお別れ
リリアナは、白竜の鱗が借金を返し終えるまでは、自分にも見届ける義務があると話し、キリタカの元にしばらく滞在すると言います。
そして、ロズワールの頼みの通り、エミリアの歌を歌っていくと約束しました。
去り際、スバルに顔を近づけて、「いずれ、あなたの歌も歌わせてください、ナツキスバル様」と、上目遣いで告げました。