【ネタバレ】『さがす』【Amazon Prime Video (アマプラ)独占配信】 あらすじ考察感想評価

『さがす』アマプラ独占配信決定！

見つけたくないものまで見えてくる。異才 片山慎三があなたに問う、唯一無二の衝撃作。

『さがす』

ふゆねこ

この「さがす」という映画は、作中で起こった出来事を単純に並べて見た場合、非常に悲惨な物語だと言わざるを得ません。

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「さがす」のネタバレ感想・考察

【ここからは物語の核心を含むネタバレとなります。閲覧される場合はご注意ください。】

※ただ、このネタバレは本作品を観た管理人が解釈して内容を述べ、映画の断面を捉えてるに過ぎません。興味の沸いた方は是非本編をご覧くださいませ。

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うつ病のため定職に就くことが出来ず、まだ中学生の一人娘・楓から時に叱咤されながら日々を送る原田は、１年ほど前に愛する妻を亡くしています。

彼の妻・公子は、原因不明で治療法が確立されていない指定難病の１つである筋萎縮性側索硬化症の患者でした。
原田は甲斐甲斐しく公子の介護をし、優しく励ましの言葉をかけ続けていたのですが、彼女はツイッターでひたすら「早く楽になりたい、、、」、「いつ死ぬか分からないのに、生きることが希望なんて思えないし、生かされ続けることに耐えられない。♯安楽死できるスイスが羨ましい」、「今すぐ死なせてもらえない苦しさを誰も分かってくれへん。常に身体的な不快感を抱えながら暮らしている身にもなってみい」、「まだ家族と話せる状態で死にたい。今、楽になりたい。人のまんま死にたい。」などと呟いていました。

妻の本心を知って苦しむ原田へ親切ごかしに近付いてきたのは、山内という青年です。
精神的に追い詰められていた原田は山内の「僕が解放してあげますよ」という甘言に乗せられ、彼に公子の安楽死を依頼してしまいます。
さらに、公子と同じく死にたいと願う人間を一緒に救済していかないか？という山内からの提案に頷いてしまった原田は、それ以降わずかな報酬を貰いながら彼に協力するようになりました。

しかし、「人助け」と称した山内の度重なる犯行はやがて警察の知るところとなり、彼は殺人・死体遺棄の疑いで全国に指名手配されてしまいます。
山内の口から全てが明るみに出れば確実に自分も逮捕されてしまう原田は、積極的に彼が身を隠す手助けをしました。
ただしそれは山内を葬り去ることで保身を図りつつ、あわよくば彼にかけられた懸賞金を手に入れてしまおうと考えたゆえの行動だったのです。

そのために原田は電車内で偶然指名手配犯を見かけたと楓に嘘をつき、「捕まえて警察突き出したら３００万やで」などと語った後に姿を消します。
そして、突如失踪した父親を楓が必死になって探している間にどうにか山内の信用を得ると、彼が油断した瞬間を狙って襲いかかり、正当防衛に見えるよう細工した上でその命を奪いました。

結果、原田は凶悪犯に立ち向かいその検挙に貢献したとして警視総監から感謝状を授与され、懸賞金をも手に入れることに成功します。
しかし楓はそんな父親に対し、ずっと疑念を抱いていました。

やがて楓は真相を突き止め、原田に向かって泣きながら「お父ちゃんが何者か知ってる。何したんかもわかってる。やっと見つけた。うちの勝ちやな」と告げます。
ただ一言「なんの勝負やねん」と答えた原田の耳に届いたのは、徐々に近付いてくるサイレンの音でした。

ふゆねこの独断偏見レビュー

ふゆねこ

星4.0！！

この「さがす」という映画は、作中で起こった出来事を単純に並べて見た場合、非常に悲惨な物語だと言わざるを得ません。
登場人物たちは誰もがその胸中を饒舌に語ることをしないため、内容のショッキングさとはそぐわぬ淡々とした調子でストーリーは進んでいきます。
だからこそ際立つのが、年齢相応に感情を爆発させたり無鉄砲に突っ走ったりすることもあれば、驚くほどの胆の太さや包容力を見せたりもする楓のキャラクターです。
一途な彼女の姿から伝わってくる父親への揺るぎない愛情が、全体的に重苦しいこの作品の中で確かな救いとなっています。

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